有害物質の発生過程

原料

  • 方鉛鉱は代表的な鉛鉱石であり、亜鉛鉱に随伴して産出することが多い。

精錬

  • 方鉛鉱の製錬では、焼結炉で硫黄は二酸化硫黄として除かれる。
  • 焼結炉で得られた鉛の酸化物は、溶鉱炉でコークスによって還元されて粗鉛となる。
  • 焼結炉、溶鉱炉からの排ガスに含まれるダストの60~70%は、酸化鉛である。
  • 粗鉛に含まれる金、銀などの有価金属を回収する工程では、鉛が揮散する。

物性

  • 400~500℃程度から蒸発が盛んになり、鉛フュームが発生する。

その他

  • 鉛化合物としては無機鉛と有機鉛がある。
  • 鉛蓄電池くずを原料として鉛を再生する工程から排出されるガス中の硫黄酸化物濃度は高い。

カドミウム

物性

  • カドミウムは白色の光沢ある金属
  • 融点:320℃、沸点:767℃

化合物

産出

発生源

  • 亜鉛の製錬に用いる焙焼炉、焼結炉などは、カドミウム及びその化合物の発生源になる

その他

ふっ素

CaF_2+2H_2SO_4→CaSO_4+2HF

  • 常温で淡黄色の有毒な気体である。
  • ほとんどすべての元素と直接反応して、ふっ素化合物をつくる。
  • 水と激しく反応し、ふっ化水素、オゾン、過酸化水素などを生じる。
  • 排ガス中のふっ素を硫黄と反応させて回収する方法がある。

  • ふっ化水素と塩化水素は、常温においてはどちらも無色の気体である。

  • ふっ化水素の水に対する溶解度は無限大である。
  • 塩酸の水に対する溶解度は無限大ではない。
  • ふっ化水素と塩化水素は、どちらも水溶液は酸性を示す。
  • ふっ素と塩素は、常温においてはどちらも有色の有毒な気体である。
  • ふっ素は塩素よりも化学的活性が大きく、希ガス、窒素以外のほとんどの元素と直接反応し、ふっ素化合物を生じる。

塩素

  • 塩素は、常温で黄緑色の刺激臭のある有毒な気体である。
  • 塩素は、加熱又は光照射により、水素と速やかに反応して塩化水素が生成する。

Cl_2+H_2→2HCl

  • 塩素の発生源として、ソーダ工業、染料、無機及び有機化学工業がある。
  • 塩素の製造法として、イオン交換膜法による食塩水の電気分解がある。

2NacL+2H_2O→2NaOH+Cl_2+H_2

Ca(OH)_2+Cl_2→CaCl(ClO)+H_2O

塩化水素

塩素と水素との反応で直接合成される。 活性炭を製造する際に発生する場合がある。 エタンなどの炭化水素類を塩素化する際に発生する。 HFC‒134aのような代替フロンを製造する際に発生する。