R1年 ばいじん・粉じん特論 問5(電界荷電による球形粒子の帯電)

問題

電界荷電による球形粒子の帯電に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1. 粒子帯電量は,誘電定数に比例する。
  2. 粒子帯電量は,粒子表面積に比例する。
  3. 粒子帯電量は,電界強度に比例する。
  4. 帯電に要する時間は,荷電空間のイオン量によらない。
  5. 電界荷電が支配的となるのは,粒子径が約2 μm 以上の粒子である。

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解答

(4)

解説

球状粒子の電界荷電による粒子帯電量q(t)は、以下のポーテニエールの式で与えられます。

q(t)=q_∞=\dfrac{t}{t+τ}

q_∞= \epsilon_0\dfrac{3 \epsilon_s}{ \epsilon_s+2}πd_p^{2}E=\epsilon_0\psi SE

τ=4\epsilon_0\dfrac{E}{J}

  • q(t):粒子帯電量(C)
  • q∞:飽和帯電量(C)
  • t:荷電時間(s)
  • τ:電界荷電時定数(s)
  • ε0:真空中の誘電率(F/m)
  • εs:比誘電率
  • dp:粒子径(m)
  • E:電界強度(V/m)
  • ψ:誘電定数(=\epsilon_0\frac{3 \epsilon_s}{ \epsilon_s+2}
  • S:粒子表面積(=πd_p^2
  • J:コロナ電流密度(A/m2)

帯電量qについては、粒子径dpが約2μm以上の大きい粒子では電界荷電が支配的で、2μm以下では拡散荷電が支配的となります。

(4)について、帯電に要する時間τは,コロナ電流密度Jに依存し、Jによって荷電空間のイオン量も変化しますので、(4)が誤りとなります。

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