R1年 ばいじん・粉じん特論 問14(水分量の測定)
問題
JIS による水分量の測定に関する記述として,誤っているものはどれか。
- 測定には,共通すり合わせU字管又はシェフィールド形吸湿管が用いられる。
- 二酸化炭素を含むガスには,無水塩化カルシウム(粒状)を吸湿剤として使用できない。
- ダクトの中心部に近い一点だけから試料ガスを採取してよい。
- 等速吸引を行う必要はない。
- 使用燃料の量や組成,送入空気の量などから,計算により求める方法も規定されている。
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解答
(2)
解説
乾き排ガス中のダスト濃度を知るためには、排ガス中の水分量を求める必要があります。
測定方法
- 測定においては、ダクト断面の中心部に近い1点だけから採取してよい。
- 水分量の測定の場合には等速吸引の必要はない。
- 平衡形試料採取装置を用いる場合は、あらかじめ水分量を知る必要はない。
- JISでは吸湿管による方法と計算から求める方法が規定されている。
吸湿管による方法
- 測定には、共通すり合わせU字管又はシェフィールド形吸湿管が用いられる。
- 二酸化炭素を含むガスには、無水塩化カルシウム(粒状)を吸湿剤として使用可能。酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、シリカゲルはいずれも二酸化炭素を吸収し、測定に誤差を与えるため、二酸化炭素を含むガスには使用不可。
- 吸湿剤を通す排ガスの吸引流量が、1本の吸収管内で吸湿剤1g当たり0.1L/min以下となるように吸引する。
- 吸湿剤で吸湿した水分が0.1~1gとなるように吸引ガス量を選ぶ。
計算から求める方法
- 使用燃料の量や組成・送入空気の量、湿分などから計算により排ガス中の水分量を求めることが可能
- 蒸気の吹込みや製品などから水分が発生して排ガス中に含まれる場合は、その水分量を燃料単位量当たりに換算して加える
- 湿式集じん装置の出口などでは水滴(ミスト)が共存するので、吸湿管法ではミストと上記上の水分と分離して測定することが困難であるため、排ガス中の水分がその温度で飽和しているとして、その温度の飽和水蒸気圧から求めることができる(排ガス温度が100℃以下の場合のみ)
(2)について、二酸化炭素を含むガスには,無水塩化カルシウム(粒状)を吸湿剤として使用可能であるため、誤りとなります。
解説記事
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