R4年 大気概論 問7(広域・地球規模の環境問題における大気汚染物質)

問題

広域・地球規模の環境問題における大気汚染物質に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1. 光化学オキシダントの主成分であるオゾンは,窒素酸化物と,炭化水素を含む揮発性有機化合物が関与する大気中での化学反応により生成する。
  2. 浮遊粒子状物質及び微小粒子状物質には,硫酸イオン,硝酸イオン,有機炭素化合物,アンモニウムイオン等を化学成分として含むものがある。
  3. 大気中で二酸化硫黄から硫酸が生成するメカニズムとして,気相でのOH との反応,雲や霧の中での反応,粒子状物質上での反応などがある。
  4. ハイドロクロロフルオロカーボンであるHCFC-22 の大気中寿命は,クロロフルオロカーボンであるCFC-11 の大気中寿命より長い。
  5. 2019 年における地上でのメタンの世界平均大気中濃度は,一酸化二窒素より高い。

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解答

(4)

解説

(1)について、オゾンはNOxとVOCが反応して発生するので正しいです。以下の千葉県HPを参考にしてください。

https://www.pref.chiba.lg.jp/taiki/taikikanshi/koukagakutowa.html

(2)について、以下の環境省HPの引用より正しいです。

PM2.5の主要な成分は元素状炭素(EC)、有機炭素(OC)、硝酸イオン(NO3-)、硫酸イオン(SO42-)、アンモニウムイオン(NH4+)等である。

https://www.env.go.jp/council/former2013/07air/y078-04/ref02-1.pdf

(3)について、解説記事に記載の通り、正しいです。

(4)について、以下の国立環境研究所のHPにより、HCFC-22 の大気中寿命はCFC-11より短いので、誤りです。

https://www.cger.nies.go.jp/ja/library/qa/15/15-1/qa_15-1-j.html

(5)について、以下の気象庁HPにより、メタンの世界平均大気中濃度は一酸化二窒素より高いので、正しいです。

  CO2
二酸化炭素
CH4
メタン
N2O
一酸化二窒素
CFC-11
クロロフルオロカーボン
HFC-23
ハイドロフルオロカーボン
SF6
六フッ化硫黄
CF4
四フッ化炭素
工業化以前の濃度 278±2 ppm 722±25 ppb 270±7 ppb 存在せず 存在せず 存在せず 34.7±0.2 ppt
2011年の濃度 391±0.2 ppm 1803±2 ppb 324.2±0.1 ppb 238±0.8 ppt 24.0±0.3 ppt 7.28±0.03 ppt 79.0±0.1 ppt
濃度の変化率a 2.0 ppm/年 4.8 ppb/年 0.8 ppb/年 -2.2 ppt/年 0.9 ppt/年 0.3 ppt/年 0.7 ppt/年
大気中の寿命b 12.4年 121年 45年 222年 3,200年 50,000年

www.data.jma.go.jp

解説記事

zoron.hatenablog.com

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