問題
ごみ焼却における水銀に関する記述として,誤っているものはどれか。
- 水銀は廃乾電池の他に,体温計や蛍光灯などに由来する。
- 焼却過程において,ほとんどが揮散し排ガスに含まれる。
- 乾電池の水銀不使用化や廃棄物の分別収集などにより,排ガス中の水銀濃度は減少傾向にある。
- 水や吸収液を噴霧する湿式法は,除去対策として用いられない。
- 活性炭による吸着除去は,有効な対策の一つである。
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解答
(4)
解説
ごみ焼却施設が発生する有害物質として水銀があり、主に廃乾電池、体温計、蛍光灯に由来します。 処理方法として、低温バグフィルター、活性炭、湿式法があります。 (4)について、水や吸収液を噴霧する湿式法は,除去対策として用いられていますので、(4)が誤りとなります。
その他の有害物質についても以下に整理しました。
有害物質 | 発生源 | 処理方法 |
---|---|---|
ばいじん | 焼却により最後に残った無機質とごく一部の未燃炭素 | バグフィルター 電気集じん装置 |
塩化水素 | 塩化ビニル樹脂等の塩素系プラスチック焼却時 | アルカリ湿式吸収 消石灰噴射乾燥吸収 消石灰-バグフィルター |
Sox | たんぱく質系厨芥類、加硫ゴム等を焼却 | |
Nox | フューエルNox:ごみに含まれる窒素分が燃焼 サーマルNox:燃焼の際の高温雰囲気の中で窒素と酸素が反応 |
触媒脱硝(SCR) 無触媒脱硝 |
ダイオキシン類 |
・塩素化された前駆体物質の焼却や加熱分解中に発生 ・化学的にはダイオキシン類と無関係な有機物と無機塩素 (Cl-、塩化水素)の焼却や熱分解により発生 ※廃棄物中に元々含まれているものもありますが、焼却過程でほとんど消滅 |
活性炭吸着 低温バグフィルター |
水銀 | 廃乾電池、体温計、蛍光灯 | 低温バグフィルター、活性炭、湿式法 |
解説記事
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