R2年 大規模大気特論 問10(鉄鋼プロセスにおける大気汚染防止対策)

問題

我が国の鉄鋼プロセスにおける大気汚染防止対策に関する記述として,誤って いるものはどれか。

  1. 使用する原料及び燃料の低硫黄化は困難であり,進んでいない。
  2. SOx は焼結炉以外でも発生し,対策が必要である。
  3. 焼結炉排ガスの脱硫方式としては,湿式脱硫法が主流だったが,近年は乾式脱硫法も導入されている。
  4. 焼結炉排ガスの脱硝方式としては,一般に触媒を用いたアンモニア接触還元法が採用されている。
  5. 焼結炉の主排風集じんには,圧損の少ない電気集じん装置が使われている。

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解答

(1)

解説

鉄鋼プロセスにおける大気汚染防止対策を以下にまとめます。

SOx

主なSOxの発生源は焼結炉、加熱炉、ボイラーで、焼結炉からの発生が7割程度を占めています。対策は以下の通りです。

  • コークス炉ガスに対して、アルカリ吸収液による湿式脱硫法を適用
  • 焼結炉排ガスに対して、湿式脱硫法、乾式脱硫法を適用
  • 省エネルギー推進により燃料使用量を削減
  • 高炉ガス、転炉ガスの有効利用
  • 鉄鉱石の低硫黄化

NOx対策

NOxの発生源は多岐にわたり、NOxを抑制する対策と発生したNOxを除去する方法に大別されます。後者のうち、焼結炉排ガスの脱硝方式としては、一般に触媒を用いたアンモニア接触還元法が採用されています。

ばいじん・粉じん

多種多様な工程からばいじんや粉じんが発生するため、その飛散防止対策が必要となります。 焼結炉の主俳風集じんについては、大規模な能力がある場合、大流量でも圧損の少なく効率の良い乾式の電気集じん装置が設置されることが多いです。

(1)について、使用する原料及び燃料の低硫黄化は進められていますので、(1)が誤りとなります。

解説記事

zoron.hatenablog.com

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