R3年 大気特論 問2(各種燃料)

問題

各種燃料に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1. エタンは空気よりも比重が大きい。
  2. 液化石油ガスの主成分は,水素,メタン,一酸化炭素である。
  3. 重質油は硫黄分を含み,燃焼時に二酸化硫黄を発生する。
  4. JIS では,重油の品種を動粘度により1 種, 2 種, 3 種に分類している。
  5. 石炭類の真比重は,石炭化が進むにしたがって増加する傾向にある。

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解答

(2)

解説

(1): エタンC2H6は分子量が14×2+6=34、空気(N2:80%、O2:20%)の分子量は14×2×0.8+16×2×0.2=28.8のため、エタンは空気より重く、比重も大きいことになりますので、正しいです。 参考までに、発熱量や比重をまとめておきます。

分子式 素数 分子量 総発熱量
(KJ/Nm3)
比重
(空気=1)
発熱量÷炭素数
メタン CH4 1 16 39,840 0.554 39,840
エタン C2H6 2 30 69,790 1.039 34,895
プロパン C3H8 3 44 99,220 1.523 33,073
エチレン C2H4 2 28 63,060 0.969 31,530
プロピレン C3H6 3 42 91,980 1.454 30,660

出典:JISK2301:2011 燃料ガス及び天然ガス-分析・試験方法

(2): LPGの主成分はプロパン・ブタンです。水素,メタン,一酸化炭素ではないので、誤りです。

(3): 重質油は硫黄分を含み,燃焼時に二酸化硫黄を発生しますので、正しいです。

化学反応式はS + O2 → SO2となります。

(4): 下表のとおり、JIS では,重油の品種を動粘度により1 種, 2 種, 3 種に分類していますので、正しいです。

性状 動粘度@50℃
(mm2/s)
硫黄分(質量%)
1種(A重油 1号 20以下 0.5以下
2号 20以下 2.0以下
2種(B重油 50以下 3.0以下
3種(C重油 1号 250以下 3.5以下
2号 400以 -
3号 400を超え1000以下 -;

出典: https://www.pref.chiba.lg.jp/taiki/tetsuzuki/taibouhou/documents/202204tebiki-3-07.pdf

(5):石炭類の真比重は,石炭化が進むにしたがって増加する傾向にありますので、正しいです。 参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jie1922/58/2/58_2_64/_pdf/-char/ja

解説記事

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