ダイオキシン

ダイオキシン類対策特別措置法

ダイオキシン類は炭素・酸素・水素・エンドを含む物質が燃焼する過程で発生し、廃棄物焼却などの事業活動によって環境中に排出されます。対策として「ダイオキシン類対策特別措置法」が1999年に導入されました。

ダイオキシン類対策特別措置法で定義されているのはPCDD(ポリ塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン)、PCDF(ポリ塩化ジベンンゾフラン)、コプラナーPCB(コプラナーポリ塩化ビフェニル)で、塩素の数や付く位置によってPCDDは75種類、PCDFは135種類、コプラナーPCBは数十種類の異性体があります。このうち毒性ががあるのは29種類です、最も毒性が高いのはPCDDのなかの、2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン(2,3,7,8-TeCDD)です。

2,3,7,8-TeCDDの特徴

  • ダイオキシン類の中で最も毒性が強い
  • 水に溶けない・脂溶性
  • 20℃ではほとんど気化しない
  • 750~800℃の加熱や紫外線で分解
  • 他の発がん物質の発がん性を促進

毒性等価係数・毒性等量

ダイオキシン類は複数の異性体の混合物として存在するため、毒性がそれぞれに異なる異性体の量を合計しても、全体としての毒性は表さないのが特徴です。このため、排出量は毒性等価係数(TEF:Toxic Equivalency Factor)を用いて算出したダイオキシン類の各異性体の毒性を足し合わせた毒性等量(TEQ:Toxic Equivalent)で表されます。

削減目標量

ダイオキシン類削減目標量は、状況に応じて見直す運用としており、現在は176g-TEQ/年となっています。下の図でわかるように法が施行されてから、大幅にダイオキシン類の削減が進んでおり、近年も目標も達成していることがわかります。

出典:環境省HP(https://www.env.go.jp/press/dioxin/R02tenpuzu1.pdf

POPs条約

日本では残留性有機汚染物質(POPs)から人の健康及び環境を保護することを目的とするPOPs条約に加入しています。POPs条約は以下を規定しています。

  • PCB等の物質の製造・使用・輸出入の原則禁止
  • DDT等の物質の製造・使用・輸出入の制限
  • PCDD等非意図的聖恵私物の排出削減
  • 条約の義務を履行するための国内実施計画を作成し、履行状況をPOPs条約事務局に報告

POPSとは

環境省HPよりPOPSについて引用します。

化学物質の中には、環境中で分解されにくく、人や野生生物などの体内に蓄積しやすく、地球上で長距離を移動して遠い国の環境にも影響を及ぼすおそれがあり、一旦環境中に排出されると私達の体に有害な影響を及ぼしかねないものがあります。このような性質を持つ化学物質は通称POPs(ポップス)と呼ばれています。POPsとは残留性有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants)の頭文字をつないだ略称(語尾のsは複数を示しています)で、例えば、ダイオキシン類やPCB(ポリ塩化ビフェニル)、DTといった化学物質が挙げられます。

http://www.env.go.jp/chemi/pops/pamph/mat00_2.pdf