R1年 大気特論 問9(石灰スラリー)

問題

石灰スラリーを用いる排煙脱硫の各工程に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1. 吸収剤調整工程では,平均粒子径15 μm 程度の石灰粉を用いて所定濃度のスラリーを調整する。
  2. 冷却除じん工程の洗浄水は,腐食性の強い酸性水となる。
  3. 吸収工程のSO2 吸収塔では,処理ガス中の液滴を除去するため,出口近くにデミスターが設置される。
  4. 副生物回収工程では,水に対する溶解度が小さい水酸化カルシウムが結晶として析出する。
  5. スート混合方式の排水処理工程では,副生物回収工程から抜き出されるろ液の一部が排水処理の対象になる。

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解答

(4)

解説

反応式

石灰スラリー吸収法は排ガス中のSO2を水でスラリー上にした石灰石(CaCO3)に作用させ、さらに酸化して石こう(CaSO4・2H2O)として回収する方法です。

SO_2+CaCO_3+1/2H_2O→CaSO_3・1/2H_2O+CO_2(吸収工程)

CaSO_3・1/2H_2O+1/2O_2+3/2H_2O→CaSO_4・2H_2O(酸化工程)

(4)について、2つ目の酸化して石こうして回収する工程ですが、結晶として参加するのは水酸化カルシウムではなく、硫酸カルシウムCaSO4と水H2Oが結合した石こう(CaSO4・2H2O)となりますので、(4)が誤りとなります。

解説記事

zoron.hatenablog.com

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