問題
排煙脱硫プロセスの石灰スラリー吸収法に関する記述として,誤っているものはどれか。
- 吸収剤として,石灰石又は消石灰を5 ~ 15 % 含むスラリーが用いられる。
- スート分離方式は,スート混合方式に比べて石こうの品質を高めることができる。
- スート混合方式は,スート分離方式に比べてイニシャルコストが安くなる。
- 別置き酸化方式の酸化工程では,pH 調整槽で硫酸の添加が不要になる。
- 吸収塔酸化方式の副生物回収工程では,石こうを分離したろ液は再利用できる。
解答(こちらをクリック)
解答
(4)
解説
石灰スラリー吸収法は排ガス中のSO2を水でスラリー上にした石灰石(CaCO3)に作用させ、さらに酸化して石こう(CaSO4・2H2O)として回収する方法です。 吸収剤としては石灰石又は消石灰を5 ~ 15 % 含むスラリーが用いられます。
石灰スラリー吸収法には上記の2工程を分ける「別置き酸化塔方式(スート分離方式)」と、同設備内で両工程を実施する「吸収塔酸化方式(スート混合方式)」がありますが、最近は吸収塔酸化方式(スート混合方式)のメリットが大きく、こちらを採用することが多いです。
- 別置き酸化塔方式(スート分離方式):ばいじんをあらかじめ除去するため、石こうの品質を高めることができる。
- 吸収塔酸化方式(スート混合方式):電力・石灰石の使用量が少なく、硫酸の添加も不要。冷却除じん塔不要のため、イニシャルコストが安い
(4)について、別置き酸化方式の酸化工程では,pH 調整槽で硫酸の添加が必要になりますので、誤りです。 硫酸の添加が不要なのは吸収塔酸化方式です。
解説記事
<<前の問題へ | 次の問題へ>> |