R1年 大気有害物質特論 問6(ふっ素、ふっ化水素、四ふっ化けい素)

問題

ふっ素,ふっ化水素及び四ふっ化けい素の処理に関する記述として,誤ってい るものはどれか。

  1. ふっ素の処理には水酸化カリウム水酸化ナトリウムの水溶液が用いられる。
  2. ふっ化水素は水への溶解度が大きいので,水洗吸収によって除去することができる。
  3. ふっ化水素を硫黄と反応させて,六ふっ化硫黄等として回収する方法がある。
  4. ふっ化水素を含む洗浄水の処理法として,水酸化カルシウムで中和する方法がある。
  5. 四ふっ化けい素を含む排ガスの処理装置では,二酸化けい素の析出による閉塞を考慮する必要がある。

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解答

(3)

解説

ふっ素、ふっ化水素、四ふっ化けい素の概要をまとめます。

ふっ素
  • ふっ素は活性が著しく大きく、希ガスを除くほとんどすべての元素と直接反応し、ふっ化化合物を作る。水とも激しく反応し、ふっ化水素、オゾン、過酸化水素、二ふっ化酸素が生じる
  • ふっ素は無水ふっ化水素の電気分解によって製造される。風化水素は蛍石濃硫酸を加熱し、得られたふっ化水素ガスを生成し、無水ふっ化水素として使用される。
    • 2HF→H_2+F_2
    • CaF_2(蛍石)+H_2SO_4→2HF+CaSO_4
  • ふっ素の処理として、水洗塔で水酸化カリウム水酸化ナトリウムと反応させて洗浄する方法、硫黄と反応させ六ふっ化硫黄等として回収する方法などがある。
ふっ化水素
  • 強い腐食性を示す
  • 水への溶解度が大きく、水洗吸収によって除去することができる。ふっ化水素を含む洗浄水の処理方法として水酸化カルシウムによる中和がある。
四ふっ化けい素
  • 四ふっ化けい素水に溶解してヘキサフルオロ計算及び二酸化けい素が生じる。排ガスの処理装置では二酸化けい素の析出による閉塞を考慮する必要がある。
  • 水への溶解度が大きく、水洗吸収によって除去することができる。

(3)について、硫黄と反応させて,六ふっ化硫黄等として回収するのは、ふっ化水素ではなくふっ素になりますので、誤りとなります。

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