R3年 大気有害物質特論 問1(鉛とその化合物)

問題

鉛及びその化合物に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1. 鉛は300 ℃程度から蒸発が盛んになり,鉛フュームとなる。
  2. 方鉛鉱の製錬では,焼結炉で硫黄は二酸化硫黄として除かれる。
  3. 焼結炉で得られた鉛の酸化物は,溶鉱炉でコークスによって還元されて粗鉛となる。
  4. 焼結炉,溶鉱炉からの排ガスに含まれるダストの60 ~ 70 %は,酸化鉛である。
  5. 粗鉛に含まれる金,銀などの有価金属を回収する工程では,鉛が揮散する。

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解答

(1)

解説

鉛の特徴は以下の通りです。

  • 鉛は融点は327℃、沸点は1750℃。ただし、400~500℃から蒸発がかなり盛んとなり、鉛ヒュームとなる。
  • 方鉛鉱から鉛を生成する方法としては、溶鉱炉法、電気炉法があるが、代表的な溶鉱炉法では原料である鉛精鉱を焼結炉に入れ、硫黄をSO2として除き、鉛の酸化物とすると同時に焼結して塊状化し、溶鉱炉でコークスを加え還元して粗鉛とする。
  • 焼結炉、溶鉱炉の排ガスは3~4g/m3N程度のダストを含み、その60~70%は酸化鉛であるので、回収して焼結工程に戻される。
  • 溶鉱炉でできる粗鉛の純度は95~97%程度、金、銀、ビスマスなどの有価金属を含んでいるので、精錬工程に送り、乾式法または電解法により鉛の純度を高めるとともに、金、銀などを回収するが、この工程の溶解炉などから鉛が輝散する。

(1)について、鉛は300℃ではなく、400~500℃で蒸発が盛んになるので、誤りとなります。

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