問題
カドミウム及びその化合物に関する記述として,誤っているものはどれか。
- カドミウムは白色の光沢ある金属であり,その沸点は亜鉛,マンガン,銅よりも低い。
- カドミウムの化合物としては,塩化カドミウム,硫酸カドミウム,シアン化カドミウムなどがある。
- 代表的な亜鉛鉱である閃亜鉛鉱中には,酸化カドミウムとして含まれている。
- 焙焼炉で亜鉛精鉱を900 ℃程度で加熱分解して得られる焼結鉱には,カドミウムは0 . 04 ~ 0 . 07 %程度含まれる。
- 焙焼炉から排出されるダスト中には,カドミウムが濃縮されており,カドミウムスポンジの原料となる。
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解答
(3)
解説
カドミウムの特徴を以下にまとめます。
- カドミウムは白色の光沢ある金属で、融点は320.9℃、沸点は767℃である。
- 化合物としては酸化カドミウム、硫化カドミウム、塩化カドミウム、シアン化カドミウム、硫酸カドミウムなどがある。酸化カドミウム、塩化カドミウムは毒性が強い。
- カドミウムは亜鉛に随伴して産出されるため、亜鉛鉱中に多く含まれている。そのため、亜鉛、銅、鉛の精錬に供する焙焼炉、焼結炉、溶鉱炉、転炉、溶解炉、乾燥炉が発生源となる。
- 代表的な亜鉛鉱である閃亜鉛鉱には0.26~0.45%のカドミウムが硫化カドミウムとして含まれている
- 亜鉛精鉱を焙焼炉で850~900℃低度で加熱分解して焼結炉と二酸化硫黄として、焼結鉱を精錬して亜鉛を得る。焼結鉱には0.04~0.07%のカドミウムが残る。
- 焼結炉から排出されるダスト中には1~21%のカドミウムが含まれ、カドミウムスポンジの原料になる。
(3)について、閃亜鉛鉱中には,酸化カドミウムではなく硫化カドミウムとして含まれているので、誤りとなります。
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