問題
洗浄集じん装置の集じん性能に与える処理ガス速度の影響に関する記述として, 誤っているものはどれか。
- ため水式では,基本流速が大きいほど微細なダストを捕集することができる。
- ベンチュリスクラバーでは,基本流速が大きいほど微細なダストを捕集することができる。
- スプレー塔では,基本流速が小さいほど集じん率は高くなる。
- 充填塔では,充填層内のガスの流れが不均一であるほど集じん率は高くなる。
- 回転式では,一般に液ガス比が大きいほど集じん率は高くなる。
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解答
(4)
解説
洗浄式集じん装置は別名スクラバーと呼ばれており、粒子の捕集媒体に水滴や水膜を使うので湿式集じん装置とも言われます。湿式なので高温の含じんガスにも使用でき、液体粒子のミストを除去する場合にも使えます。
洗浄式集じん装置にはいくつか方式があり、以下にまとめます。
方式 | 装置 | 原理 | 50%分離粒子径 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
ため水式 | - | 集じん室内の水に含じんガスを高速通過 | - | 基本流速が大きいほど集じん効率は高い |
加圧水式 | ベンチュリースクラバー | 加圧水を噴射して集じん。慣性衝突で分離 | 0.1μm | 基本流速が大きいほど集じん効率は高い |
ジェットスクラバー | 加圧水を噴射して集じん。水滴とダストの衝突・拡散で分離 | 0.2μm | ||
サイクロンスクラバー | 加圧水を噴射して集じん。遠心力で分離 | 1μm | ||
スプレー塔 | 加圧水を噴射して集じん | 3μm | 基本流速が小さいほど集じん率は高く | |
充填層式 | 充填塔 | 含じんガスを充填物表面の水膜と接触させて捕集 | 1μm | 基本流速が小さく(滞留時間が長い)、充填物の比表面積・充填密度が大きく、充塡層内のガスの流れが均一であるほど、集じん率は高くなる |
回転式 | - | 供給水とガスをファンで撹拌し、多数の水滴・水膜・気泡でダスト除去 | - | 回転数が大きく、液ガス比が大きいほど集じん率は高くなる。 ガスの流れが乱れているほど集じん率は低くなる。 |
以上より、(4)が正解となります。
解説記事
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