R4年 ばいじん・粉じん特論 問4(集じん装置の性能評価)

問題

集じん装置の性能評価に関わるア~ウの用語と, それに密接に関連する集じん装置の組合せとして,正しいものはどれか。

  1. ドイッチェの式
  2. トークス数
  3. 液ガス比
  4. 衝突式慣性力集じん装置 電気集じん装置 サイクロン
    ベンチュリスクラバー サイクロン 電気集じん装置
    電気集じん装置 重力集じん装置 ベンチュリスクラバー
    電気集じん装置 衝突式慣性力集じん装置 ベンチュリスクラバー
    電気集じん装置 衝突式慣性力集じん装置 サイクロン

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解答

(4)

解説

集じん装置の分類

集塵装置の特徴を形式別に下表の通り整理します。

形式 概要 代表的な集じん装置
流通形式 重力、遠心力、静電気力などの外力を主流と直角方向に作用させ、系外に移動させる形式。圧力損失は主に流通抵抗で決まる。 重力集じん装置
遠心力集じん装置(サイクロン)
電気集じん装置
障害物形式 障害物(捕集体)を気流中に設置することにより、粒子に作用する慣性力、遠心力、静電気力などの力や粒子群の拡散運動などにより、障害物で分離する形式 エアフィルター
粒子充填フィルター
慣性力集じん装置
洗浄集じん装置
隔壁形式 気体は通すが粒子はほとんど通さない捕集体を流路を遮るように配置して、粒子を隔壁表面に分離する形式。捕集体に粒子が堆積すると圧力損失が増加するため、堆積物を除去する必要がある。 バグフィルター
セラミックフィルター

電気集じん装置

電気集じん装置の性能を表す指標として、分離速度ωeと集じん率ηがあります。分離速度は粒子が集じん壁に移動するときの粒子束の速度です。集じん率ηはどれだけ集じんできたかを表すものであり、以下のドイッチェの式で計算することができます。

\eta=1-\exp\left(\dfrac{\omega_eA}{Q}\right)

  • η:集じん率
  • ωe:粒子の分離速度(m/s)
  • A:有効集じん面積(m2)
  • Q:ガス流量(m3/s)

衝突式慣性力集じん装置

衝突式慣性力集じん装置は含じんガスを障害物に衝突もしくは急激な方向転換を行い、粒子の慣性力を利用して分離・捕集する装置です。 慣性力集じんでは粒子の慣性力が最も大きな分離力で、主にストークスStkで評価されます。

洗浄集じん装置

洗浄集じん装置は、液滴や液膜などの液体を捕集媒体とするものです。そのうちの一つにベンチュリースクラバーがあります。含じんガスと使用する水の量の比を液ガス比と呼び、条件により最適な液ガス比があります。

以上より、(4)が正解となります。

解説記事

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