R4年 ばいじん・粉じん特論 問6(電気集じん装置)

問題

電気集じん装置に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1. 一般には,円筒形よりも平板形の方が広く用いられる。
  2. 中容量以上のものでは,垂直形よりも水平形が用いられる。
  3. 一段式は,二段式に比べて再飛散防止に有効である。
  4. 湿式は,乾式に比べて集じん性能が高くなる。
  5. 10 μm 程度の粒子では,電界荷電に比べて拡散荷電が支配的である。

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解答

(5)

解説

(1)~(4)について、電気集じん装置の形式を下表に整理します。下表より、すべて正しいです。

形状 円筒形と平板形があり、平板形が広く使用
流れ方向 垂直形と水平形があり、中容量以上では水平形が適している
荷電形式 1段式と2段式があり、1段式はダストの荷電と集じんが同一空間で行われ、再飛散は少ないが、逆電離減少を起こしやすい。2段式は荷電と集じんを分け、集じん板面積を大きく取れ、装置の小型化が可能
乾式/湿式 湿式のほうが再飛散が少ないため、集じん率を高くできる。
対象粒子が硫酸ミストのように著しい腐食性があるときや酸露点以下で使用する低温電気集じん装置では、銅製の集じん電極や放電電極に鉛の被覆をしてこれを保護したり、化学的に耐食性の強い電気伝導性プラスチックなどを用いる

(5)について、電気集じん装置では①電界によりイオンが粒子に付着して荷電が行われる場合(電界荷電)と、②熱拡散運動により荷電が行われる荷電(拡散荷電)の2つがありますが、粒子径dpが2μmを境として、どちらが支配的かが決まります。

  • dp<2μm:拡散荷電が支配的
  • dp>2μm:電界荷電

従って、(5)の10μmでは電界荷電が支配的になりますので、誤りとなります。

解説記事

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