R4年 大気特論 問1(燃料の分類)

問題

 JIS で規定される燃料の分類に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1. 液化石油ガスは,用途により2 種類に分けられ,さらに組成によって細分される。
  2. 灯油は,用途により2 種類に分けられる。
  3. 軽油は,硫黄分により5 種類に分けられる。
  4. 重油は,動粘度により3 種類に大別され,さらに細分される。
  5. 石炭は,燃料比や発熱量により分けられる。

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解答

(3)

解説

(1)について、JIS K 2240では以下の通り、LPGの区分しています。用途により2 種類に分けられ,さらに組成によって細分されいますので、正解です。

種類 項目 組成(mol%) 硫黄分
(質量%)
蒸気圧
(40℃)
(MPa)
密度
(15℃)
(g/cm3)
銅板腐食
(40℃、1h)
主な用途
エタン+エチレン プロパン+プロピレン ブタン+ブチレン ブタジエン
1種 1号 5以下 80以上 20以下 0.5以下 0.0050以下 1.53以下 0.5
~0.620
1以下 家庭用燃料
業務用燃料
2号 60以上 40以下
3号 60未満 30以上
2種 1号 - 90以上 10以下 - 1.55以下 工業用燃料
工業用原料
自動車用燃料
2号 50以上 50以下
3号 50未満 50以上 1.25以下
4号 10以下 90以上 0.52以下

(2)(3)灯油と軽油の特徴を以下にまとめます。

灯油は,用途により2 種類に分けられるので、(2)は正解です。

軽油は,硫黄分ではなく、流動点で5 種類に分けられるので、(3)は誤りです。

沸点(℃) 密度(g/cm3) 発熱量(MJ/L) 引火点(℃) 備考
灯 油 170~250 0.78~0.80 36.49 40以上 1号:白灯油(灯火、暖房・厨房用)
2号:茶灯油(石油発動機用)
軽 油 240~350 0.80~0.84 38.04 45以上 流動点により5種類に分類
着火性良否をセタン価※1で示す

※1:オクタン価・セタン価が高いほどノッキングと呼ばれるエンジンの異常燃焼を起こしにくい。

(4)について、重油は下表の通り、動粘度により3 種類に大別され,さらに細分されるので、正解です。

性状 動粘度@50℃
(mm2/s)
硫黄分(質量%) 引火点(℃)
1種(A重油 1号 20以下 0.5以下 60以上
2号 20以下 2.0以下 60以上
2種(B重油 50以下 3.0以下 60以上
3種(C重油 1号 250以下 3.5以下 70以上
2号 400以 - 70以上
3号 400を超え1000以下 -; 70以上

(5)について、石炭は燃料比や発熱量により分けられるので、正解です。

石灰化度 発熱量 比重 燃料比
無煙炭
歴青炭
亜歴青炭
褐炭
泥炭

解説記事

zoron.hatenablog.com

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