R1年 大気特論 問4(燃焼計算)

問題

炭素71 %,水素4 . 8 %,酸素9 %,窒素1 %,硫黄0 . 2 %,灰分10 %,水分4 % の組成の石炭を完全燃焼させたとき,乾き燃焼ガス中の酸素濃度が4 . 0 % となる空気比は,およそいくらか。

  1. 1 . 18
  2. 1 . 23
  3. 1 . 28
  4. 1 . 33
  5. 1 . 38

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解答

(2)

解説

解説記事に記載の手順で解いていきます。

1.化学反応式を書く

燃料を100gとおきます。燃料のうち、反応する成分は炭素C、水素H2、硫黄Sの3つであり、それぞれの化学反応式と反応前後のmolは以下の通りとなります。

C + O2 CO2
反応前(mol) \frac{71}{12} \frac{71}{12} 0
反応後(mol) 0 0 \frac{71}{12}
2H2O + O2 2H2O
反応前(mol) \frac{4.8}{2} \frac{4.8}{2}×\frac{1}{2}
反応後(mol) 0 0 \frac{4.8}{2}
S + O2 SO2
反応前(mol) \frac{0.2}{32} \frac{0.2}{32} 0
反応後(mol) 0 0 \frac{0.2}{32}

2.理論酸素量を計算

理論酸素量は通常は上記の反応で消費される酸素となりますが、今回は燃料中の酸素を使うことができますので、 通常の酸素から燃料中の酸素を引いた分となります。

\dfrac{71}{12}+\dfrac{4.8}{2}×\dfrac{1}{2}+\dfrac{0.2}{32}-\dfrac{9}{32}=6.84mol

3.理論空気量A0を計算

空気中の酸素は21%のため、理論空気量A0は以下の通りとなります。

6.84÷0.21=32.58mol

4.所要空気量Aを計算

空気比をxとおくと、所要空気量Aは32.58x [mol]となります。

5.燃焼ガス量を計算

反応前後の気体を以下の表にまとめます。

反応前(mol) 反応後(mol)
石炭内 C 5.92 0
H2 2.40 0
O2 0.28 0
N2 0.04 0.04
S 0.01 0
H2O 0.22 2.62
理論空気量 O2 6.84 0
N2+O2 32.58 25.74
所要空気量 O2 6.84x 6.84x-6.84
N2+O2 32.58x 32.58x-6.84

6.O2濃度を計算

渇き燃焼ガスは水H2Oを除くガスの総和になります。問題文から酸素を渇き燃焼ガスで割った数値が0.04となりますので、以下の式が導けます。

\dfrac{6.84x-6.84}{32.68x-6.84+6.84x-6.84+0.04+2.62}=0.04

これを解くと、以下の通りとなります。

x=1.22

よって、答えは(2)となります。

解説記事

zoron.hatenablog.com

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