R1年 ばいじん・粉じん特論 問13(排ガス中ダスト試料採取時の吸引速度)

問題

排ガス中ダスト試料採取時の吸引速度に関する記述として,誤っているものは どれか。

  1. 測定点のガス流速より大きい流速で吸引すると,測定濃度は真濃度より大きくなる。
  2. サンプリングプローブがガス流に直面していないと,吸引速度が等速でも,測定濃度は真濃度より小さくなる。
  3. 非等速吸引に伴うダスト濃度の測定誤差は,ダスト粒子径が大きいほど大きくなる。
  4. JIS で許容される吸引流速の排ガス流速との相対誤差は,-5 ~ +10 %である。
  5. 非等速吸引に伴うダスト濃度測定誤差を推定する式としてデービスの式がある。

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解答

(1)

解説

等速吸引

ダスト濃度を測定する際には、排ガスの吸引速度は排ガスと等しくする必要があります。JISで許容される吸引流速の排ガス流速との相対誤差は、-5~+10%です。

排ガスの流束と吸引速度の違いによる、ダスト濃度への影響は下図にてまとめました。

デービスの式

等速吸引からのずれを表すために、デービスの式が使われます。

 \dfrac{C_n}{C}= \dfrac{v_n}{v}-\dfrac{1}{1+2Stk} \left(\dfrac{v_n}{v}-1\right)

  • Cn:非等速吸引時のダスト濃度(g/m3N)
  • C:等速吸引時のダスト濃度(g/m3N)
  • vn:非等速吸引時の吸引速度(cm/s)
  • Stk:ストークス数

トークス数Stkは以下にて定義されます。非等速吸引によるダスト濃度の誤差はストークス数が大きいほど大きくなります。

Stk=\dfrac{\rho d_p^2 v_r}{9 \mu d}

  • ρp:ガス密度(g/cm3)
  • dp:粒子径(cm)
  • vr:測定点のガス流速(cm/s)
  • μ:ガス粘度(g/(cm・s))
  • d:吸引ノズルの内径(cm)

(1)について、測定点のガス流速より大きい流速で吸引すると,測定濃度は真濃度より小さくなりますので、 (1)が誤りとなります。

解説記事

zoron.hatenablog.com

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