問題
排ガス中ダスト試料採取時の吸引速度に関する記述として,誤っているものは どれか。
- 測定点のガス流速より大きい流速で吸引すると,測定濃度は真濃度より大きくなる。
- サンプリングプローブがガス流に直面していないと,吸引速度が等速でも,測定濃度は真濃度より小さくなる。
- 非等速吸引に伴うダスト濃度の測定誤差は,ダスト粒子径が大きいほど大きくなる。
- JIS で許容される吸引流速の排ガス流速との相対誤差は,-5 ~ +10 %である。
- 非等速吸引に伴うダスト濃度測定誤差を推定する式としてデービスの式がある。
解答(こちらをクリック)
解答
(1)
解説
等速吸引
ダスト濃度を測定する際には、排ガスの吸引速度は排ガスと等しくする必要があります。JISで許容される吸引流速の排ガス流速との相対誤差は、-5~+10%です。
排ガスの流束と吸引速度の違いによる、ダスト濃度への影響は下図にてまとめました。
デービスの式
等速吸引からのずれを表すために、デービスの式が使われます。
- Cn:非等速吸引時のダスト濃度(g/m3N)
- C:等速吸引時のダスト濃度(g/m3N)
- vn:非等速吸引時の吸引速度(cm/s)
- Stk:ストークス数
ストークス数Stkは以下にて定義されます。非等速吸引によるダスト濃度の誤差はストークス数が大きいほど大きくなります。
- ρp:ガス密度(g/cm3)
- dp:粒子径(cm)
- vr:測定点のガス流速(cm/s)
- μ:ガス粘度(g/(cm・s))
- d:吸引ノズルの内径(cm)
(1)について、測定点のガス流速より大きい流速で吸引すると,測定濃度は真濃度より小さくなりますので、 (1)が誤りとなります。
解説記事
<<前の問題へ | 次の問題へ>> |