R2年 大気特論 問15(窒素酸化物自動計測器)

問題

JIS による排ガス中の窒素酸化物自動計測器に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1. 化学発光分析計では,NO2とオゾンとの反応で生じる発光を測定する。
  2. 赤外線ガス分析計では,NOの5 .3μm付近における吸収量変化を測定する。
  3. 紫外線吸収分析計では,NO又はNO2の紫外線領域における吸収量変化を測定する。
  4. 差分光吸収方式による分析計では,NO又はNO2の吸収ピークと端部との吸収信号の差から濃度を測定する。
  5. ガス透過性膜を通じて電解液中に拡散吸収されたNOを測定する。

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解答

(1)

解説

窒素酸化物の自動計測器について、以下に整理します。

分析方法 原理 妨害物質
化学発光方式 NOとオゾンの反応で生じる励起状態のNOが発する化学発光を測定。Nox測定時はコンバーターでNO2をNOに変換 CO2
赤外線ガス分析計 試料ガス中のNOの赤外線吸収量を測定。Nox測定時はコンバーターを利用。 H2O,CO2
SO2,炭化水素
紫外線吸収分析計 試料ガス中のNO,NO2の紫外線吸収量を測定 SO2,炭化水素
差分光吸収方式 目的成分のある波長領域で、吸収のピークと端部の差から濃度に換算 SO2,炭化水素
定電位電解方式 電解液中の拡散吸収されたNOを定電位電解したときの電解電流を測定。Nox測定時はコンバーターを利用 SO2,CO
オゾン,炭化水素

(1)について、化学発光分析計はNO2とオゾンではなく、NOとオゾンの反応で生じる発光を測定するため、 誤りとなります。

解説記事

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