R2年 大規模大気特論 問1(大気の熱的性質)

問題

大気の熱的性質に関する記述中,ア~ウの中に挿入すべき語句・数値の組合せとして,正しいものはどれか。

任意の高度にある気き塊かいを断熱的に,仮に地面付近(気圧1000 hPa の高度)に持ってきたときの温度θを その気塊のと定義する。 が一定な低層大気層の気温減率は,一般に記号γdで表されるに等しく, その数値(絶対値)はおおむね(℃/m)である。

地上標準温度標準大気0
地上標準温度断熱昇温率1
基準面温度乾燥断熱減率0.1
基準面温度断熱減率0.01
温位乾燥断熱減率0.01

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解答

(5)

解説

気温減率

山に登ると、高度が高くなるにつれて温度が低くなることは、よく知られていることだと思います。このメカニズムは高度が高くなると気圧が小さくなり、断熱膨張という現象によって、気温が下がるというものです。

乾燥断熱減率

乾燥断熱減率とは乾燥した空気の気温減率のことであり、0.0098℃/mとなります。わかりやすく言い換えると、高度が1m高いと0.0098℃(約0.01℃)上昇、100m高いと0.98℃(約1℃)上昇するというものです。乾燥断熱減率は記号γdであらわされます。

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温位

温位とは空気の塊を乾燥断熱減率に沿って地表面の1000hPaまで下げた時の温度です。同じ温度の空気の塊でも、圧力が違うと地表面での温度は異なるので、地表面での圧力に直した時の温度で比較することが便利なことがあり、このようなものが定義されました。

以上より、(5)が解答となります。

解説記事

zoron.hatenablog.com

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