R3年 ばいじん・粉じん特論 問5(電気集じん装置の特徴)

問題

電気集じん装置の特徴に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1. 構造が簡単で可動部分が少ない。
  2. 爆発性ガスや可燃性ダストには適していない。
  3. コロナ電流密度は,一般に0 . 3 mA/m2 程度である。
  4. 一般的な乾式電気集じん装置内の基本流速は,0 . 5 ~ 2 m/s 程度である。
  5. ダスト層の見掛け電気抵抗率が約102 Ω・m以下では,逆電離現象が生じやすい。

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解答

(5)

解説

電気式集じん装置は、直流高電圧によるコロナ放電を利用して、ばいじんガス中の粒子を荷電し、クーロン力(二つの荷電粒子の間に働く力)により集じん電極に沈着させる装置です。主な特徴は以下の通りです。

  • 構造が簡単で可動部分が少ない。
  • 爆発性ガスや可燃性ダストの存在下では、静電気などにより発火するリスクがあるので、不適
  • コロナ電流密度は、一般に0.3mA/m2程度である。
  • 一般的な乾式電気集じん装置内の基本流速は、0.5~2m/s程度である。
  • 通常、粒子径0.1~1μmのサブミクロン粒子に対して部分集じん率が低くなる。
  • 見掛け電気抵抗率ρdと集じん性能の関係は以下の通り
    • 102Ω・m以下:異常再飛散により集じん性能が低下
    • 102Ω・m~5×108Ω・m:正常
    • 5×108Ω・m以上:逆電離減少により集じん性能が低下
  • 圧力損失は、一般に200Pa程度以下である。

(5)について、 102Ω・m以下では逆電離現象ではなく、異常再飛散が生じやすいので、(5)が誤りです。なお、異常再飛散の結果、集じん性能が低下します。

解説記事

zoron.hatenablog.com

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