R3年 ばいじん・粉じん特論 問6(障害物形式の集じん装置)

問題

障害物形式の集じん装置の捕集に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1. 粒子径が大きいほど,重力による分離速度は大きくなる。
  2. トークス数が大きいほど,慣性力による捕集効率は小さくなる。
  3. 粒子径が0 . 1 μm 以下のダストでは,一般に拡散作用による分離が支配的である。
  4. 捕集体の寸法に対する粒子径の比が大きいほど,遮りによる捕集効率は大きくなる。
  5. 遮りによる捕集は,ガス速度が小さいときに効果的である。

解答(こちらをクリック)

解答

(2)

解説

障害物形式の集じん装置の捕集機構としては、慣性衝突、遮り、拡散、重力などがありますが、要点を以下に整理します。

慣性力
  • 含じんガスを各種の障害物に衝突させ、あるいは含じんガス流の急激な方向転換を行い、粒子の慣性力を利用して、分離・捕集
  • 大きな粒子・流速が大きいほど有利
  • ダストの径・密度、ダストと捕集体の相対速度が大きいほど、ガスの粘度・捕集体寸法は小さいほど(=イノルズ数、ストークス数、遮りパラメータが大きいほど)、捕集効率は高くなる。
  • 一般に、2~3μmよりも大きなダストではガス速度が極端に小さくならない限り、慣性衝突が主な捕集機構となる
重力
  • 粒子径・密度が大きいほど、年度と速度が小さいほど有利
遮り
  • 気流と全く同じ運動する微小ダストでも,ダストが捕集体に接触すれば捕集される効果を遮り効果という
  • ガス速度が遅いとき効果的
拡散
  • ダストが微細になると腹側に運動するブラウン運動が活発になり,粉じんガス中のダスト濃度に差があると,ダストは高濃度領域から低濃度領域へ拡散により移動して,濃度を均一化しようとする。
  • 捕集体表面に到達したダストは分離される。
  • 特に気流速度が小さく,だいたい0.1μm以下のダストでは拡散作用による分離が支配的となる。

(2)について、ストークス数が大きいほど,慣性力による捕集効率は大きくなりますので、誤りとなります。

<<前の問題へ次の問題へ>>