問題
ふっ素化合物の性質，処理に関する記述として，誤っているものはどれか。
- ふっ素を含む排ガスの処理には，水酸化ナトリウムの水溶液が吸収剤として用いられる。
- ふっ化水素の解離定数は比較的小さく，その水溶液は弱い酸性である。
- ふっ化水素の水による吸収では，ガス側境膜抵抗が吸収速度を支配する。
- 四ふっ化けい素を含む排ガスの処理には，密な充塡物を用いた充塡塔が使用される。
- ふっ化水素水溶液の処理装置には，ステンレス鋼など耐食性の材料が使用される。
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解答
（４）
解説
(1)について、ふっ素の排ガス処理は水洗塔で水酸化カリウムや水酸化ナトリウムと反応させて洗浄するので、正解です。なお、他には硫黄と反応させ、六ふっ化硫黄などとして回収する方法、加水分解可能な物質はスクラバーで処理する方法もあります。
(2)について、ふっ化水素の解離定数は25℃において、7.4×10-4と比較的小さく、弱酸性となりますので、正解です。なお、解離定数とは、水溶液中での解離であり、解離定数が小さいほど弱酸性となります。
(3)について、排ガス中のフッ化水素は水洗吸収によって除去することができます。水による吸収では溶解度が大きいので、ガス側境膜抵抗が吸収速度を支配していますので、正解です。 なお、境膜抵抗については、解説記事をご確認ください。
(4)について、四ふっ化けい素を含む排ガスの処理では、二酸化けい素の析出があるので、フッ素化合物による腐食・二酸化けい素による閉塞を考慮する必要があります。そのため、密な充填物を用いた充填塔の使用は避けるべきであり、スプレー塔の使用が好ましいです。従って、(4)は誤りとなります。
(5)について、フッ素水素水溶液は腐食性が強いので、ステンレス鋼などの耐食性の材料が使用されるため、正解です。
解説記事
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