R2年 大気特論 問8(水酸化マグネシウムスラリー吸収法)

問題

水酸化マグネシウムスラリー吸収法に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1. 石灰スラリー吸収法に比べて設備費は安価である。
  2. スラリーは弱アルカリ性で,毒性・腐食性もなく,取扱いが容易である。
  3. 反応後の生成塩の溶解度は水酸化マグネシウムのそれより大きく,スケーリングの心配がない。
  4. 吸収塔から取り出されたスラリーは,そのまま水域に放流できる。
  5. 吸収剤の原料は,海水と炭酸カルシウムである。

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解答

(4)

解説

水酸化マグネシウム法排煙脱硫装置では、水酸化マグネシウムMg(OH)2を5~10%含むスラリーを吸収剤として使用し、排ガス中 SO2 の除去を行います。

Mg(OH)_2 + SO_2 → MgSO_3 + H_2O(吸収反応 ①)

MgSO_3 + SO_2 + H_2O → Mg(HSO_3)_2(吸収反応 ②)

SO2 ガスを吸収した液は、pH 調整→酸化→濾過の排水処理によって無害化されたうえ、放流されます。

 Mg(HSO_3)_2 + Mg(OH)_2 → 2MgSO_3 + 2H_2O(pH調整)

MgSO_3 + 1/2O_2 → MgSO_4(酸化)

水酸化マグネシウムスラリー吸収法(横河電機)

(2)について、吸収塔から取り出されたスラリーは吸収反応①、②によりMgSO3やMg(HSO3)2を含んでおり、 そのまま放流できませんので、誤りとなります。

解説記事

zoron.hatenablog.com

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