問題
JIS による排ガス中のふっ素化合物分析方法に関する記述として,誤っているものはどれか。
- 吸収液には水酸化ナトリウム溶液を用いる。
- アルミニウム(Ⅲ)の共存が影響を及ぼす場合は,水蒸気蒸留操作によってふっ化物イオンを分離する。
- 定量範囲の下限が最も大きいのは,ランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度法である。
- イオン電極法では,イオン強度調整用緩衝液を用いる。
- イオンクロマトグラフ法では,吸収液に陽イオン交換樹脂を加える操作がある。
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解答
(3)
解説
排ガス中のふっ素化合物分析方法は3種類あり、以下にまとめます。
共通
- ガス状無機ふっ素化合物を吸収液に採取し、ふっ化物イオンとして分析する方法である。
- 標準液の調製:ふっ化ナトリウムを使用
- 共存するアルミニウム(Ⅲ)などのイオンが測定を妨害する場合は、水蒸気蒸留を行った後に定量する。
個別
試料採取 | 定量範囲 (vol ppm) |
特徴 | |
ランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度法 | 吸収液:水酸化ナトリウム 流量は1L/min程度 採取量:約40L |
1.2~14.8 | 試料ガス採取後の吸収液にランタン-アリザリンコンプレキソン溶液を加えることで発色させる。 |
イオン電極法 | 7.4~737 | 分析用試料溶液にイオン強度調整用緩衝液を加え、ふっ化物イオン電極及び参照電極を浸して、電位を測定 検量線は片対数方眼紙を用いて作成 |
|
イオンクロマトグラフ法 | 0.3~14.8※1 3~148※2 |
吸光光度法、イオン電極法に比べ、低濃度のふっ化物イオンを定量 吸収液に陽イオン交換樹脂を加える操作がある |
(3)について、定量範囲の下限が最も大きいのは,ランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度法ではなく、イオンクロマトグラフ法になりますので、 誤りとなります。
解説記事
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