R4年 大気有害物質特論 問8(ふっ素化合物分析方法)

問題

JIS による排ガス中のふっ素化合物分析方法に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1. 吸収液には水酸化ナトリウム溶液を用いる。
  2. アルミニウム(Ⅲ)の共存が影響を及ぼす場合は,水蒸気蒸留操作によってふっ化物イオンを分離する。
  3. 定量範囲の下限が最も大きいのは,ランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度法である。
  4. イオン電極法では,イオン強度調整用緩衝液を用いる。
  5. イオンクロマトグラフ法では,吸収液に陽イオン交換樹脂を加える操作がある。

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解答

(3)

解説

排ガス中のふっ素化合物分析方法は3種類あり、以下にまとめます。

共通

  • ガス状無機ふっ素化合物を吸収液に採取し、ふっ化物イオンとして分析する方法である。
  • 標準液の調製:ふっ化ナトリウムを使用
  • 共存するアルミニウム(Ⅲ)などのイオンが測定を妨害する場合は、水蒸気蒸留を行った後に定量する。

個別

試料採取 定量範囲
(vol ppm)
特徴
ランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度法 吸収液:水酸化ナトリウム
流量は1L/min程度
採取量:約40L
1.2~14.8 試料ガス採取後の吸収液にランタン-アリザリンコンプレキソン溶液を加えることで発色させる。
イオン電極法 7.4~737 分析用試料溶液にイオン強度調整用緩衝液を加え、ふっ化物イオン電極及び参照電極を浸して、電位を測定
検量線は片対数方眼紙を用いて作成
イオンクロマトグラフ 0.3~14.8※1
3~148※2
吸光光度法、イオン電極法に比べ、低濃度のふっ化物イオンを定量
吸収液に陽イオン交換樹脂を加える操作がある

(3)について、定量範囲の下限が最も大きいのは,ランタン-アリザリンコンプレキソン吸光光度法ではなく、イオンクロマトグラフ法になりますので、 誤りとなります。

解説記事

zoron.hatenablog.com

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