R3年大気特論問13（イオンクロマトグラフによる濃度測定）

試料燃焼排ガスを通過させた吸収液を，容量250 mL の全量フラスコに移し希釈した後，イオンクロマトグラフで硫酸イオン濃度を分析して以下の結果を得た。乾き燃焼排ガス中のSOx の体積濃度（ppm）は，およそいくらか。

⑴　200 ⑵　250 ⑶　300 ⑷　350 ⑸　400

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（３）

下図をご確認ください。排ガスを吸収液に入れて、それをフラスコに移し替えて濃度を測定したという流れです。

今回測定したSO₄^2-濃度が0.051mg/mLで、空試験のSO₄^2-濃度が0.001mg/mLということで、差分の0.05mg/mLが実際の濃度ということになります。

また、フラスコ容量は250mLのため、0.05mg/mL×250mL=12.5mgがフラスコ内のSO₄^2-の質量となります。

SO₄^2-の分子量は96g/mol（S:32,O:16より、32×1+16×4）であるため、SO₄^2-のモル数は以下の通りとなります。

12.5×10^-3[g]÷96[g/mol]=0.00013[mol]

吸収されたSOxのモル数と吸収液中のSO₄^2-はSの数が同じなので、モル数も等しくなり、SOxのモル数は0.00013[mol]となります。

標準状態の1mol当たりの体積は22.4L/molのため、SOxの標準状態での体積は下の通りとなります。

0.00013[mol]×22.4[L/mol]=0.0029[L]

SOxの標準状態が0.0029[L]、試料ガス採取量が9.70Lであるため、SOxの濃度は以下の通り計算できます。

0.0029[L]÷9.7[L]×10⁶=300[ppm]