R3年 大気特論 問12(燃料の発熱量測定法)

問題

JIS による燃料の発熱量測定法に関する記述として,誤っているものはどれか。

  1. ユンカース式流水形熱量計では,試料の低発熱量は直接測定できない。
  2. 気体燃料の発熱量を組成から計算する方法では,分析で得られる燃料ガスの体積分率をそのままモル分率とはしない。
  3. 改良形燃研式ボンベ形熱量計では,熱量測定値を補正するために必要な機器固有の熱当量を求めるため,標準物質として安息香酸が使用される。
  4. 改良形燃研式ボンベ形熱量計では,加圧酸素雰囲気で試料を燃焼させる。
  5. 改良形燃研式ボンベ形熱量計では,発熱量算出の際には燃料点火に必要な電気エネルギーは微小なので無視する。

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解答

(5)

解説

ユンカース式流水形熱量計

ユンカース式流水形熱量計は気体燃料の発熱量を測定します。試料ガスを燃焼させたときに得られる熱量を水に吸収させて、温度上昇分と流量から発熱量を算出します。 このとき、水分の潜熱も流水に吸収されるため、測定できる発熱量は高発熱量となります。

従って、(1)は正しいです。

組成から計算する方法

気体燃料の発熱量を組成から計算する方法では,分析で得られる燃料ガスの体積分率に対し、圧縮係数や圧縮加算係数による補正をして、 モル分率を算出します。

従って、(2)は正しいです。

改良形燃研式ボンベ形熱量計

改良形燃研式ボンベ形熱量計は酸素を圧入した熱量計のボンベ中で試料を燃焼させ、燃焼前後の温度計の読みから求めた値に生成熱、点火線の発熱量、カプセルの発熱量などの熱補正を行って、総発熱量を算出するものです。 熱当量の測定は熱量標定用安息香酸を用いて、錠剤を作り、これを発熱量測定と同じ操作を行って算出します。

従って、(3)(4)は正しいですが、(5)が誤りです。燃料点火に必要な電気エネルギーは点火線の発熱量であり、総発熱量の算出に使用します。

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