R4年 大規模大気特論 問6(拡散モデル)

問題

大気汚染の予測手法としての拡散モデルに関する記述として,誤っているものはどれか。

  1. 拡散は微分方程式で表され,その解法により解析解モデルと数値解モデルに分類できる。
  2. 解析解モデルは,拡散係数や風向・風速が一定などの条件のもとで数学的に得られる解を利用する。
  3. 解析解モデルの一種として流跡線モデルがある。
  4. 代表的な数値解モデルとして格子モデルがあるが,計算量は非常に大きくなる。
  5. 格子モデルでは,格子間隔より小さいスケールの濃度変化を表現できない。

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解答

(3)

解説

拡散モデルには数値解モデルと解析解モデルがあります。解析解モデルは別記事で示したプルームモデルのように、濃度計算の数式が決まっていて、必要な数値を代入すれば求まるというものです。一方、数値解モデルは、濃度計算の数式が求まらない場合に使われ、数値を用いて近似的に求めるものです。現代では計算機が発達しているので、応用分野も広がっています。以下にモデルの分類と代表例を整理します。

モデル分類 モデル名
拡散
モデル
数値解
モデル
格子
モデル
差分モデル
有限要素法モデル
粒子モデルなど
全地球モデル
光化学大気汚染モデル
流跡線
モデル
- -
解析解
モデル
- - プルームモデル、パフモデル
PRIMEモデル(建屋後流拡散)
Lyons and Coleモデル
自動車排出ガス拡散モデル

(3)について、上表の通り、 流跡線モデルは解析解モデルではなく数値化いうモデルになりますので、誤りとなります。

解説記事

zoron.hatenablog.com

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