R1年 公害総論 問6(四大公害)
問題
問6 過去に起きた大きな環境問題に関する記述として,誤っているものはどれか。
- 1968(昭和43)年にイタイイタイ病の主原因は,鉱山排水に含まれていた鉛であると認められた。
- 1950 年代に熊本県水俣湾を中心に発生した水俣病は,工場排水に含まれていた有機水銀化合物によるものと認められた。
- 1980 年代に起きたトリクロロエチレンなど有機塩素化合物による地下水汚染を契機として,化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)が改正された。
- 1960 年代に問題になった四日市ぜん息は,大規模な石油化学コンビナートから排出された硫黄酸化物などによるものと認められた。
- 1968(昭和43)年に起きたカネミ油症事件を契機として,ポリ塩化ビフェニル化合物の有毒性が問題となった。
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解答
(1)
解説
(1)(2)(4): 四大公害に関する問題です。下表のとおり、名称・場所・原因物質をセットで覚えてください。
名称 | 場所 | 原因物質 | |
---|---|---|---|
四大公害病 | 水俣病 | 熊本県水俣湾 | 有機水銀 |
新潟水俣病 | 新潟県阿賀野川流域 | 有機水銀 | |
四日市ぜん息 | 三重県四日市市 | 亜硫酸ガス | |
イタイイタイ病 | 富山県神通川流域 | カドミウム |
(1)は鉛ではなく有機水銀が原因となりますので、誤りとなります。 (2)(4)は正しいです。
(3):トリクロロエチレンなど有機塩素化合物による地下水汚染を契機として,化審法が制定されたので、正しいです。参考までに、もう少し詳細の経緯が国交省HPに記載されていますので、引用します(https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/kasinhou/files/about/laws/laws_exposition.pdf )
昭和四十年代におこったPCB(ポリ塩化ビフェニル)による環境汚染を契機として、有用な化学物質の利用 に起因する人の健康への被害を防止する観点から、昭和四十八年に本法が制定されました。本法は、世界に先駆 けて、新規化学物質に関する事前審査制度を設けるとともに、PCBに類似した性状を有する化学物質について 製造・輸入・使用等の規制を行うものでした。 その後、トリクロロエチレン等による地下水汚染などPCBとは異なる性質を有する化学物質による環境汚染 を防止するために昭和六十一年に大幅な改正がなされたほか、平成十五年には、国内外での様々な取組を踏まえ、 動植物への影響に着目した審査規制制度の導入や環境中の放出可能性に着目した事前審査制度の見直しなどの 改正が行われました。
(5): カネミ油症事件を契機として,ポリ塩化ビフェニル化合物の有毒性が問題となりましたので、正しいです。 以下にもう少し詳細が記載されていますので、参考にしていただければと思います。
解説記事
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