問題
パスキルの安定度分類と拡散幅推定法に関する記述として,誤っているものはどれか。ただし,煙源から風下方向の距離をx とする。
- 地上風速と,日射量又は雲量の組合せにより,大気安定度の階級を判定する。
- 夜間は風速によらず,雲量が少ないときよりも,多いときのほうが相対的に強い安定となる。
- 安定度が決まると,水平及び鉛直拡散幅はx のみの関数として与えられる。
- 一定の位置x における水平及び鉛直拡散幅は,安定度が変わらない限り変化しない。
- 地上風速が6 m/s を超える場合,日射量が強の日中以外は安定度D(中立)と判定される。
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解答
(2)
解説
パスキルの安定度分類
パスキルは風速、日射量等を組み合わせ、大気安定度をA~Fの6段階に分類しました。下表に示します。
風速 (地上 10m) | 日射量 cal/cm2・h | 本曇 | 夜間 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
≧50 | 49~25 | ≦24 | 上層雲(5~10) 中・下層雲(5~7) | 雲量(0~4) | ||
<2 | A | A-B | B | D | (G) | (G) |
2~3 | A-B | B | C | D | E | F |
3~4 | B | B-C | C | D | D | E |
4~6 | C | C-D | D | D | D | D |
6< | C | D | D | D | D | D |
A:強不安定、B:並不安定、C:弱不安定、D:中立、E:弱安定、F:並安定
不安定・安定については、風速により区分が分かれています。風速が大きいと混合が抑制され安定側にシフトすると覚えておくとよいです。
パスキルの拡散幅
大気安定度の分類ができたら、以下のグラフで拡散幅σy、σzを計算します。煙突から風下の距離xが決まれば、拡散幅σy、σzを読み取れるようになっています。
(2)について、安定度はパスキルの安定度の表に記載の通り、風速によって変動しますので、(2)が誤りとなります。
解説記事
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