R4年 大気特論 問4（燃焼計算）

問題

石炭中N分から発生するNOの量を調べるため，組成が酸素20 %，アルゴン80 % の合成空気による燃焼実験を行い，下記の結果を得た。

	乾き燃焼ガス中O2濃度（%）	乾き燃焼ガス中NO濃度（ppm）
条件1	2.0	160
条件2	5.0	200

条件2 において石炭1 kg 当たり石炭中N 分から発生するNO の量（m3N/kg）は， 条件1 のそれの何倍か。

⑴1.2　 ⑵1.25　 ⑶1.3　 ⑷1.5　 ⑸1.7

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解答

（４）

解説

問題文の状況を以下に整理します。

設問をかみ砕いて、方針を決めます。

条件1,2の詳細について、整理します。

当初の計算式に立ち返り、以下の通り、計算を進めます。

よって、1.5倍となるため、(4)が正解となります。

解説（数式による解法）

以下の通り、設定する

• 条件１と条件２の乾き排ガス量：G₁'、G₂' m³N/kg
• 条件１と条件２の過剰空気量：, A₁、A₂ m³N/kg
• 理論乾き排ガス量：G₀' m³N/kg
• 条件１と条件２での乾き排ガス中の酸素濃度：y₁，y₂ %

乾き排ガス量＝理論乾き排ガス量＋過剰空気量から
G₁'=G₀' + A₁…①
G₂'=G₀' + A₂…②

酸素濃度は過剰空気量中のO2量÷乾き排ガス量であるため、
y₁=100 × 0.2 × A₁ / G₁' = 20 × A₁ / (G₀' + A₁)　…③
y₂=100 × 0.2 × A₂ / G₂' = 20 × A₂ / (G₀' + A₂)　…④

③④をA1,A2について解くと
A₁=G₀' × y₁ / (20 - y₁)　…⑤
A₂=G₀' × y₂ / (20 - y₂)　…⑥

①②に⑤⑥を代入し、
G₁'=G₀' + A₁ = G₀' + G₀' × y₁ / (20 - y₁) = G₀' × (1 + y₁ / (20 - y₁)) = G₀' × 20 / (20 - y₁)　…⑦
G₂'=G₀' + A₂ = G₀' + G₀' × y₂ / (20 - y₂) = G₀' × (1 + y₂ / (20 - y₂)) = G₀' × 20 / (20 - y₂)　…⑧

条件１と条件２でのNO濃度をz₁,z₂ppmとすると、条件２と条件１で生成するNO量m³N/kgの比Xは、
X=(G₂' × z₂ × 10^-6) / (G₁' × z₁ × 10^-6)
=(G₂' / G₁') × (z₂ / z₁)
=(G₀' × 20 / (20 - y₂)) / (G₀' × 20 / (20 - y₁)) × (z₂ / z₁)
=(20 - y₁) / (20 - y₂) × (z₂ / z₁)
=(20 - 2) / (20 - 5) × (200 / 160)
=1.5

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