R2年 大気有害物質特論 問9(塩化水素分析)
問題
JIS による排ガス中の塩化水素分析方法を,定量下限の小さいものから順に並 べたとき,正しいものはどれか。
⑴ | 硝酸銀滴定法 | < | イオンクロマトグラフ法 | < | イオン電極法 |
⑵ | 硝酸銀滴定法 | < | イオン電極法 | < | イオンクロマトグラフ法 |
⑶ | イオン電極法 | < | 硝酸銀滴定法 | < | イオンクロマトグラフ法 |
⑷ | イオンクロマトグラフ法 | < | イオン電極法 | < | 硝酸銀滴定法 |
⑸ | イオンクロマトグラフ法 | < | 硝酸銀滴定法 | < | イオン電極法 |
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解答
(4)
解説
塩化水素分析方法を以下にまとめます。
吸収液 | 定量 下限 |
定量 上限 |
特徴 | 妨害物質 | |
---|---|---|---|---|---|
イオンクロマトグラフ法 | 水 | 小 | 小 | 塩化物イオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオンなどの陰イオンを同時に定量 塩化物イオン標準液(Cl-:1mg/mL)の調製には、塩化ナトリウムが用いられる。 検出器には電気伝導度検出器が使用 |
硫化物などの還元性ガス |
硝酸銀滴定法 | 水酸化ナトリウム溶液 | 大 | 中 | 試料に少量の硝酸を加え酸性にし、硝酸銀溶液を加えて塩化銀を沈殿させる。過剰の硝酸銀をチオシアン酸アンモニウム溶液で滴定する。 | SO2、ハロゲン化物、シアン化物、硫化物 |
イオン電極法 | 硝酸カリウム溶液 | 中 | 大 | 塩化物イオン、亜硝酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオンなどの陰イオンを同時に定量 塩化物イオン標準液(Cl-:1mg/mL)の調製には、塩化カリウムが用いられる。 試料ガス中の塩化水素を水に吸収させる。電極を試料溶液に浸すと、塩化物イオンの活量に対数比例した電位が発生。この電位を測定し、検量線から定量 |
ハロゲン化物、シアン化物、硫化物 |
よって、(4)が正解となります。
解説記事
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